歌川国芳×山東京山「おこまの大冒険~朧月猫の草紙~」を読みました
※ このブログではアフィリエイト広告を利用しています
府中市美術館「歌川国芳 21世紀の絵画力」を見に行った時、ミュージアムショップで山東京山・作、歌川国芳・絵、金子信久・訳著の「おこまの大冒険」(2,700円)を彼に買ってもらいました。
猫好き作家ふたりの読み物
「朧月猫の草紙」は、江戸時代に発売された読み物です。
小説家の山東京山(さんとうきょうざん)が物語を書き、浮世絵師の歌川国芳が絵を描いています。
「おこまの大冒険~朧月猫の草紙~」は、府中市美術館の学芸員の金子信久さんが訳と説明を書いています。
ちなみに山東京山は、有名な戯作者、山東京伝の弟なんですね。知りませんでした。
波乱万丈の猫生涯
主人公は、鰹節問屋の飼い猫・おこまちゃんです。とある事件から、オス猫のとらさんと駆け落ちしますが、その後波乱万丈の猫生を送ります。
この本は忠実な現代語訳ではなく、難解な部分は割愛したり、説明が補ってあり、現代人が読みやすいようになっています。
「ちょっかい」や「香箱を作る」など、言葉の響きを生かした訳となっています。
歌川国芳の猫の描き方
おこまちゃんたちは、猫の姿のときと、人間の姿のときとがあります。人の姿の時は、髪の毛に見えるよう、頭が黒くなっています。
うちの猫と同じ「くま」という名前の猫が登場しますが、乱暴者です。
おっとりした性格のうちのくまとは大違いです(ΦωΦ)
江戸時代の猫の暮らし
江戸時代の猫の食器は「鮑の殻」だそうです。魚やかつお節(をかけたご飯)を食べているようです。
「猫の毛色&模様 まるわかり100!」にも写真が載っていました。
金子信久さんの猫愛
著者の金子信久さんの猫愛あふれる解説も素晴らしいです。
おこまが屏風を踏んでいる場面で、
余計な話だが、かわいい足跡が付いたことだろう。
と書いてあります。
解説でも、おこまの最後に涙したと書いてあります。
日比谷カレッジで受講した「国芳とねこー動物愛と江戸絵画」では、猫の写真のサンプルとして、はっちゃん日記のはっちゃんの写真を使っていました。
金子さんは、はっちゃんの死にもさぞや心を痛めたことと思います。
しおりのかんざし
しおりはかんざしの形をしています。このかんざしは本文に登場します。
猫好きさんにオススメ
江戸時代の読み物だけあって、敵討ちや生き方を説くところなど、天保の改革の影響を受けています。
読みごたえがありました。江戸時代の本は訳がないと読めないし、説明がないとわからないので、「おこまの大冒険」はとても良い本だと思います。
歌川国芳の猫の絵も素晴らしいので、猫好きさんにもオススメです。
レクタングル大
関連記事
-
【青梅】おうめ猫町1丁目バス停とかいぐり公園跡地
青梅に行った時に、素敵な猫のバス停がありました。 おうめ猫町一丁目のバス停 おうめ猫町一丁目
-
「どうぶつゆうびん局へようこそ!-はしもとみおの木彫の世界-」の猫さんたち
東京スカイツリータウン・ソラマチ9Fの郵政博物館で昨日まで開催されていた「どうぶつゆうびん局へようこ
-
バンナイリョウジ個展『猫とゴロゴロ』〜小さな木彫りのねこ〜を見に行きました
購読している月刊猫とも新聞に載っていたバンナイリョウジさんの個展を見に行きました。 ギャラリー
-
朝倉彫塑館の年間パスポートを買いました
昨日は「生誕150年 平櫛田中展」を観に小平市の平櫛田中彫刻美術館へ行って来ました。彫刻家・平櫛田中
-
【原宿】ドヤ顔の小さな猫さんが大集合!「100匹のどやねこ展」を見ました
原宿のART・IN・GALLERY(アート・イン・ギャラリー)で 2/10~2/13まで行われた「1
-
大佛次郎さんのエッセイ集「猫のいる日々」を読みました
作家の大佛次郎さんは、75年の生涯で500匹以上の猫と暮らしたそうです。 500匹以上の猫と暮
-
白黒の子猫を木彫りで作りました
白黒猫の子猫を木彫りで作りました。 これもしばらく放置していたのですが、せっかく作ったので着色
-
Bunkamura ザ・ミュージアム「猪熊弦一郎展 猫たち」を見に行きました
猪熊弦一郎さんは好きな画家で、「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」にも3回くらい行ったことがあります。素敵
-
「猫都(ニャンと)のアイドル展 at 百段階段」で猫力士の土俵入りを見ました
福ねこ展2019「猫都(ニャンと)のアイドル展 at 百段階段」を見に行きました。 東京都指定
-
繊細なタッチの猫がステキな絵本「チョコレート屋のねこ」を読みました
「月刊猫とも新聞」の絵本特集で紹介されていた猫の絵本を読みました。 小さな村のチョコレート屋